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e診断士ドットコムは中小企業診断士谷川隆一のご紹介をしています

(船橋 本社オフィス) 千葉県船橋市  (東京オフィス) 東京都中央区日本橋

過去のメーリングリストの紹介メーリングリスト


過去のメーリングリストの紹介
  1. 創業の際の自己資金はどれくらいいるのか?
  2. 企業格付け/債務者区分とは?
  3. お客様は誰?
  4. 低価格路線か高価格路線か?
  5. インターネットビジネス
  6. 中小企業が大手参入を防ぐには?
  7. 規制緩和と規制強化
  8. 適正な社員数とは
  9. 適正な社員数とは-その2
  10. 他社の逆を進む?
  11. 融資を受ける
  12. どこに出店するか?
  13. 開業と必要な資格
  14. 営業のアウトソーシング
  15. 取引先の倒産
  16. 身近な支援拠点(中小企業支援センター)
  17. 「ものづくり」におけるダーウィンの海
  18. 時代を変える技術
  19. 逆特区
  20. 法人か個人事業か?
  21. 取引先の選択



逆引き経営戦略
  1. 創業の際の自己資金はどれくらいいるのか?
  2. 自社のおかれた業界や外部環境を分析したい
  3. ターゲット顧客の選定を行いたい
  4. 競争を避ける価格戦略は何か
  5. 販路はどのように開拓するのか?
  6. 中小企業が大手参入を防ぐには
  7. ビジネスチャンスを見つける
  8. 適正な社員数とは?
  9. 社員は長く勤めてもらいたい
  10. 他社の逆を進む?
  11. 融資を受ける
  12. どこに出店するか?
  13. 営業(業務)のアウトソーシング
  14. 取引先の倒産
  15. 身近な支援拠点
  16. ものづくりにおける障壁
  17. 時代の変化を読む
  18. 法人か個人経営か?
  19. 取引先の選択?



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         「経営相談の日々」 No. 1
    
2005/4(発行:週刊)

 ビジネスプロシード/e診断.com: http://www.eshindan.com/

◆ 経営相談をとおして感じた「経営トピックス」を
◆ 中小企業診断士が毎週ご紹介するメールマガジンです。
◆ (個別の相談内容について記載するものではありません)

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□目次
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◆今日のトピックス
◆逆引き経営戦略


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■ 今日のトピックス ■
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◆創業の際の自己資金はどれくらいいるのか?

■自己資金は創業に対する自分の決意表明
 最近はホリエモンの影響もあり、起業家を夢見る人が増えています。
国内企業の90%は中小企業です。その中小企業も新しい創業のエネルギ
ーが必要で、創業ブームは日本の発展には大切な要素といえます。
 さて、では創業時にどの程度の自己資金を準備すればいいのでしょうか?
一般には創業資金の30%〜50%は自己資金を準備する必要があると言われて
います。創業資金を借りる際に、自己資金がほとんど無い人がいますが、
どんなもんでしょうか?
自己資金も無く他人のお金だけを当てにしたビジネスプランでは、金融
機関からの借り入れも難しいです。やはり、「返済計画」に妥当性が無い
と誰も話を信じてくれませんよね。
私はお金を投資するとして、以下が無ければ投資したいとは思いませんね。
・儲かる仕組みがあるか(お客が見込めるか)?
・売上計画は具体的に立てられるか?
・借金を返済する計画に無理はないか?
・本人にやる気があるか?

ということで、起業するなら最初から多額の投資をせず、投資するとしても
自分のやる気を示すためにも自己資金を30%以上は準備しましょう! 
それが、自分の決意表明です。


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■ 逆引き経営戦略 ■
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◆創業の際の自己資金はどれくらいいるのか?
「インタレストカバレッジ」を使ってみましょう。
インタレストカバレッジは営業利益と支払利息の比率を見るものです。
借金の額は、その大きさだけではなく、支払利息がどのように
まかなえるかで考えましょう。
  ※ インタレストカバレッジ=
       (営業利益+受取利息・配当金)/支払利息

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■ 編集後記 ■
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はじめまして!
第一号のメールマガジンをお送りします。
本メールマガジンは「経営相談」をとおして感じた経営課題解決の
ためのヒントを考えるメールマガジンです。
今後も改善の上、皆様に良質の情報提供に努めます!!



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         「経営相談の日々」 No. 2
    
2005/4/19(発行:週刊)

 ビジネスプロシード/e診断.com: http://www.eshindan.com/

◆ 経営相談をとおして感じた「経営トピックス」を
◆ 中小企業診断士が毎週ご紹介するメールマガジンです。
◆ (個別の相談内容について記載するものではありません)

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□目次
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◆今日のトピックス
◆逆引き経営戦略


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■ 今日のトピックス ■
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◆企業格付け/債務者区分とは?

■企業格付けアップは情報公開とビジネスプラン作りから
「ある日突然銀行の借入が整理回収機構(RCC)に回され、RCCから
融資の返済を求められた」

お金を借りていたら、突然お金を返せと言われるのですから笑い事
ではありません。

なぜこのようなことになったのか。。
銀行は企業に対して「格付け」という独自の信用度合いを設定して
います。また、金融庁が定めているものに「債務者区分」があります。
両者は同類のもので、そのランクに応じて銀行は焦げ付きのための
引当金を積むことになっています。ですから、企業格付けが低く査定
されてしまうと、銀行にとって負担が大きくなるので、勢い貸し剥がし
やRCCへの債権譲渡などが起こることになります。

では、企業はどうすればよいのでしょうか?
企業格付け・債権者区分を上げていく努力が大切です。
格付けアップは何も担保を増やしたり返済期間を短くするだけではありません。
自分の会社の現状を直視し、それを金融機関に正しく「開示」し、そして
将来のビジネスプランを作成・提示することによっても上げることが可能
なのです。ただ単に、「売上はあるし、利益も有る」と言っても信用は得られ
ません。
具体的に企業の経営状況を開示し、今後の中期プランを作って、どのような
市場の、どのような顧客に、どのような自社製品を売るか、また、どのように
して顧客開拓を考えており、その結果、売上げや返済計画はこのようになる、
という計画と熱意を示す必要があります。

ビジネスプラン作りや新事業への取り組みを示すために、「経営革新支援法」
(「中小企業新事業活動支援法」に統合・改正中)を利用し、ビジネスプラン
を作って見ましょう。
その取り組みが、きっと企業格付けのアップを約束するでしょう。


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■ 逆引き経営戦略 ■
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◆自社のおかれた業界や外部環境を分析したい
自社の置かれている業界を分析するフレームワークとして経営学者
ポーターの「5つの競争要因分析/5フォースモデル」が使えます。
これは、以下の5つの要因を分析するものです。
 ・新規参入の脅威(参入障壁の高さ)
 ・競争業者
 ・代替品の脅威
 ・買手の交渉力(スイッチングコスト)
 ・売り手の交渉力(差別化)

SWOT分析と呼ばれる「自社の強み、弱み、環境の脅威と好機」を分析
する際にも、外部環境の分析手法として先ず「5つの競争要因分析」
を使って、脅威と好機を調べることができます。

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■ 編集後記 ■
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第2号のメールマガジンをお送りします。
まだまだ読者は少ないですが、これから広く皆さんにご覧いただける
ようにいい記事を書きたいと思います。
経営相談の仕事も始まったばかりですが、中小企業のみなさん、
本当に苦労されてますよね。
でも、逆境の中でも元気な社長さんの顔を見ているとこちらも
元気になってきます。
(あれ、逆ですね・・)



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         「経営相談の日々」 No. 3
    
2005/4/26(発行:週刊)

 ビジネスプロシード/e診断.com: http://www.eshindan.com/

◆ 経営相談をとおして感じた「経営トピックス」を
◆ 中小企業診断士が毎週ご紹介するメールマガジンです。
◆ (個別の相談内容について記載するものではありません)

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□目次
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◆今日のトピックス
◆逆引き経営戦略


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■ 今日のトピックス ■
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◆お客様は誰?

■現在のお客様を知り、開拓すべきお客様を知る
 売上げを上げるためには、お客様に製品・サービスを買っていただか
なければなりません。現在商品・サービスを買ってくださっているのは
どのようなお客様か、ご存知ですか?

・何曜日に売上げが多いですか?
・1年の中では売上げに波はありませんか?
・閑散期は誰を相手にすればいいですか?

 先ずは、今のお客様がどのような方なのか、また、どのような
お客様が経営にインパクトを与えているか冷静に分析してみましょう。

 POSレジで人数と単価しか分からなければ、先ずはデータを集めなければ
なりません。そのために、先ずは経験による仮説を立てて見ましょう。
そしてその仮説が正しいかどうか実際に実態調査をしてみましょう。
(そんなに難しく考えずに、最初は簡易な方法でやって見てください。
ご自身で、1週間ざっくりとしたデータを集めてもいいでしょう。)

 次に、どうしたら売上げを上げられるのか、今度は戦略のための
仮説を立てて見ましょう。土日にお客様が少ないのならば、どうすれば
土日に集客できるか考えましょう。土日にお客様は遠くから呼び込めますか?
通行量は多いですか?通行量が多いならば入店の策を、通行量が少ないの
ならば、どうすれば来てくれるか考えましょう。

 或るお肉やさんでは、毎週レシピを書いたカードを配って、何枚か
集めると特典がもらえるようなポイントカードの仕組みで、売上げを
伸ばしているそうです。

お客様を集めるための方法はいろいろあります。
今回、小売業を想定してご紹介しましたが、今後も何回かご紹介して
いきたいと思います。


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■ 逆引き経営戦略 ■
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◆ターゲット顧客の選定を行いたい

現在の顧客の購買動向を見て、現在の顧客層を分析する方法を
いくつかご紹介します。

・デシル分析
デシル(Deciles)とは10等分という意味で、顧客を購買金額順に
10%ごとに10ランクに分類して分析する方法です

・RFM分析
顧客を、Recency(最新購買日)、Frequency(購買頻度)、Monetary(購買金額)に
応じて評価する方法です。

・LTV(生涯価値)
顧客の継続購買確率を考え、たとえば5年間での購買金額総額を考え、
顧客の生涯購買金額を増やすことを考える方法です。

・データマイニング
大量の購買データを分析し、マーケットバスケット分析(併買分析)、
優良・不良顧客の特性などを統計的手法で発見する方法です。



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■ 編集後記 ■
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第3号のメールマガジンをお送りします。
今回は小売業を念頭にした内容に偏っていて、あまり一般的な
話になっていなかったと反省してます。

ところで、読者はまだ増えてませんね。。って、まだ集客らいしい
ことはあまりしてません。。先ずは、発行を続けるところからしっかり
やりたいと思います。

現在葛飾区のお仕事をさせていただいておりますが、この度東京都
振興公社のお仕事もやらせていただくことになりました。
益々中小企業の皆様との接点が増えてきてます。
がんばろうっと!


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         「経営相談の日々」 No. 4
    
2005/5/3(発行:週刊)

 ビジネスプロシード/e診断.com: http://www.eshindan.com/

◆ 経営相談をとおして感じた「経営トピックス」を
◆ 中小企業診断士が毎週ご紹介するメールマガジンです。
◆ (個別の相談内容について記載するものではありません)

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□目次
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◆今日のトピックス
◆逆引き経営戦略


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■ 今日のトピックス ■
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◆低価格路線か高価格路線か?

■競争を避ける価格戦略は何か
 「価格破壊」という名の下に、様々な業種で低価格を武器に市場
シェアの拡大を行う企業がいました。しかし、最近ではユニクロや
マクドナルドも「低下価格路線」から「高価格路線」への傾斜傾向
が見られます。大手においても、過剰な低価格競争は企業体力の消
耗を余儀なくされています。「規模の経済」、「経験曲線理論」な
ど大量生産によるコストの低下が競争力を有するのは確かです。
しかし、昨今大量生産は人件費の安い中国などの独占上となっていま
す。これを「ユニクロ化」という様ですが、服に限らず、バックや靴、
果ては印刷物も中国で印刷して日本に運んだ方が安いという時代です。

 このような市場で低価格・大量販売を行うのは、大手しか採算が合
わず、中小企業が参入できる分野ではありません。そうすると、中小
企業は以下のような特性を持ったニッチ市場で、「少量多品種短納期
+価格は高め」という競争するのが妥当だと考えられます。

 ・市場が狭い
 ・専門性が有る
 ・大量生産・大量仕入れメリットが出ない製品
 ・特許で守られている製品・サービス
 だから、大手の参入が難しい。。。

 大手との競争にさらされたら利益は減少し、最悪倒産にもなりかね
ません。これからは、利益のしっかり確保できる適正価格の商品を購入
していただけるように、小回りのよさで勝負するのがよいのではないで
しょうか?そのためには、商品自体も、大量生産ではない、小ロット
多品種で付加価値の高い商品作りが大切です。


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■ 逆引き経営戦略 ■
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◆競争を避ける価格戦略は何か
価格を検討する際には「価格弾力性」を考えて見ましょう。

価格弾力性:
 価格の変動が購買数にどのように影響するか(価格変動でも購買数が
 あまり変化しない場合、価格弾力性が小さい)を考慮した価格設定。
 ブランド品が値上げに対して強いのは価格弾力性が小さいから。
 価格弾力性が大きい場合(価格に敏感)には、「市場浸透価格戦略」
 により早期市場開拓を行い、価格弾力性が小さい(価格の影響少ない)
 場合には、高価格で早期費用回収を考える。
 中小企業は価格競争に巻き込まれないように、価格弾力性の小さい
 商品・サービスの開発が重要。

また、従来の「作る側・売る側」での価格設定ではなく、お客が求める価格
から考える方法があります。顧客価値から生産コストを分析する生産管理
手法としてはValue Engineering(VA)やValue Analysis(VA)があります。

(参考)
作る側の価格設定には、以下があります。

・コストプラス/マークアップ:
  コストに対して必要な利益を上乗せする方法。
  ニーズというより、作る側・売る側での価格設定。
・損益分岐点方式:
  総費用と総収入が同じになる販売台数を最低販売台数として
  価格を決定。これも、作る側での最低限赤字にならないラインを
  意識しての価格検討方法。


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■ 編集後記 ■
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第4号のメールマガジンをお送りします。
連休なので、お休みしようかとも思ったのですが、先ずは継続する
ことが大切と思い、発行することにしました。
今回は、高価格商品(これは日本で作ることの根拠がある商品の提供
ということです。)でなければ中小企業は戦えないぞ、というのが
ひとつのメッセージです。

世の中は10連休という方もいらっしゃるんですよね。うらやましい
限りです。まあ、ちょうど子どもも部活動で長期旅行もままならない
ので我慢しょましょう。
みなさん、十分休養を取って、休み明けからはまた実務の世界でがん
ばりましょう!!


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         「経営相談の日々」 No. 5
    
2005/5/10(発行:週刊)

 ビジネスプロシード/e診断.com: http://www.eshindan.com/

◆ 経営相談をとおして感じた「経営トピックス」を
◆ 中小企業診断士が毎週ご紹介するメールマガジンです。
◆ (個別の相談内容について記載するものではありません)

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□目次
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◆今日のトピックス
◆逆引き経営戦略


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■ 今日のトピックス ■
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◆インターネットビジネス

■インターネットビジネスに向く商品は?
 最近の創業ブームの一翼を担っているのはインターネットビジネ
スです。確かにインターネットビジネスは商圏という垣根を取り払
い地域に依存しないワールドワイドなビジネス展開の可能性を含ん
でいます。では、どんな商品・サービスもインターネットを使えば
成功するのでしょうか?

インターネットで商品を購入する場合の特徴を考えて見ましょう。
 ・ブランドが決定していて「価格」が主な購入条件の場合
  (購入商品が決定している場合も同様です。)
 ・サービスのように目で見ることのできない無形のもの
 ・購入者が商品情報をたくさん持っている商品(比較購買可能)

逆にインターネットに向いていない商品は何でしょうか?
 ・さわってみないとわからない商品(生地の材質感など)
 ・インターネットの情報だけでは理解できない商品・サービス
 ・価格が安価な最寄品・日用品

 インターネットで購入しているのは、有る程度の価格の高額品や、
銘柄やブランドをよく知っていて、購入する銘柄・ブランドがすで
に決定している商品なのではないでしょうか?
オリジナルブランドの衣類、装飾品、靴やカバンなど、触って、
他の商品と比較したりしないと分からないのではないでしょうか?

 最近「テレビショッピング」も新たな販売チャネルとなっていますが、
こちらは言葉巧みな説明者と司会者により十分な商品説明が可能です。
それに比べるとインターネットはどうしても商品説明力が落ちます。
安易に商品をインターネット販売にだけ頼るのではなく、商品の特性
を考え、デパートや専門店での委託販売やイベント会場への出展など、
「バーチャルショップ」と「リアルショップ」の違いを理解して
販売計画を練る必要があります。


 ご自身が取り扱っている商品はインターネットでも売り切れる商品で
すか? それとも、デパートなどに置いてもらってお客様に手にとって
もらう、または、商品の説明などした方が売れるものですか?

 パソコンに向かってサーチエンジンで上位に表示されるように工夫す
る(SEOと呼ばれています)だけではなく、実際の店舗でお客さんの反応を
聞いてみる機会を作ってみませんか?
商売最後は、「足で稼ぐ」というのも(特にビジネス立上げ期には)ある
意味一理あるのではないでしょうか?


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■ 逆引き経営戦略 ■
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◆販路はどのように開拓するのか?

販売チャネルを検討する際には、以下の「伝統的」種類があります。
 ・開放的チャネル政策
 ・選択的チャネル政策
 ・専売的チャネル政策

高額の商品、ブランドを重要視する商品の場合には、どこでも
購入でききるのではなく、限られた専売的チャネルだけを使う
方法があります。ユニクロがインターネットだけで購入可能な
商品を提供するのも、また、ソニーがプレーステーションを
インターネットで先行して定価で販売し、一般流通チャネルでは
品切れ状態を起こしたのも、インターネットを専売チャネルとして
利用したと考えられます。デルコンピュータのようなダイレクト
販売/ダイレクトチャネルでの販売形態も専売チャネルと考えられます。
専売チャネル政策はメーカー主導の販売チャネル作りといえます。
(受注生産型を「延期」型と言い、見込み生産型を「投機」型と
言って、「延期-投機システム」という販路構築の考え方もあります)

一方、「垂直的マーケティングシステム(VMS)」という製販販での
企業グループ、ネットワーク組織による販売システムがでてきま
した。自社だけでではなく、企業グループで販売ルートを構築
する方法です。大企業の分社化による垂直統合とともに、中小企業
同士のネットワークによる垂直統合も重要です。

中小企業も、自社の商品がどのような価格帯の商品かを考え、ブラ
ンドをどのように作るかを考え、小売店、直販(通販、インターネッ
ト販売含む)、または物流会社との連携などを使い分けましょう。


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■ 編集後記 ■
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第5号のメールマガジンをお送りします。
少し内容が間延びしてしまいました。
次回からはもう少しスリムな文章を心がけます。。

最近は中小企業における特許の重要性を感じています。
次週は「特許」について記載しようかと思ってますが・・・


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         「経営相談の日々」 No. 6
    
2005/5/17(発行:週刊)

 ビジネスプロシード/e診断.com: http://www.eshindan.com/

◆ 経営相談をとおして感じた「経営トピックス」を
◆ 中小企業診断士が毎週ご紹介するメールマガジンです。
◆ (個別の相談内容について記載するものではありません)

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□目次
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◆今日のトピックス
◆逆引き経営戦略


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■ 今日のトピックス ■
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◆中小企業が大手参入を防ぐには?

■特許を取得してみませんか?

 以下のような話をよく聞きます。

・貴重な経営資源を投じて商品を開発し、それを大手企業に紹介したら、
 後日同様の商品を大手企業が開発・販売してしまった。
・ライセンスのみの販売を考えてライセンス契約を締結したが、積極的
 な販売をしてもらえず、しかも他企業との契約もできずに商機を失って
 しまった。

 皆さんの会社ではこのようなご経験はありませんか?
得てして、画期的な技術であると、大手企業の反応なども確認したくて
大手企業などに話を持っていくことが多いと思いますが、大手に限らず
他社に技術内容や試作品などを見せる際には「悪意」のある企業により
まねされてしまう危険性が無いかどうか今一度考えて見ましょう。

 このように、中小企業が独自の技術・サービスを開発した場合には、
その技術が他社にまねされないような工夫が必要です。

 そのためには、「特許」や「実用新案」、デザインに関する「意匠権」
など「知的財産権」の出願・登録が有効です。これらの出願・登録には
費用がかかりますが、他社が容易に参入できないように「参入障壁」を
作るためには、知的財産権で自社の商品・サービスを守ることが重要に
なってきます。独創的な技術の開発の場合にはぜひ「特許」などで独占的
な権利を得られるように検討しましょう。特許の出願は自社の権利を主張
するとともに、他社の特許出願によりその技術が使用できなくなるような
不利益から会社を守る「防衛」にもなります。

 また、特許の出願に際しては簡単に類似の方法で回避/まねされないように
「広く」特許が取れるようにその範囲を検討しましょう。

 ただし、特許申請前に技術発表などで公表してしまうと、公知の事項と
なって、特許の取得ができなくなってしまいますので注意しましょう。
また、特許や実用新案などを出願するということはその内容を「公開」する
必要があります。そのため、「企業秘密」として申請など行わずに済ませる
こともありえます。このあたりは、申請・維持のための費用なども考慮して
十分に検討しましょう。

 逆に、自社で特許を開発することが難しい場合には特許庁の「特許流通
データベース」(http://www.ncipi.go.jp/)で検索し、眠っている特許を利用
するという方法もありますので一度検討してみてはいかがでしょうか?

 中小企業の皆さんも、独自の技術を開発した場合には、その権利をしっかり
守って、利益を確保できるようにしてください。


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■ 逆引き経営戦略 ■
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◆中小企業が大手参入を防ぐには
 一般的に自社の展開する市場への参入者を防ぐためには、以下の
ような方法が取られます。

・参入障壁
  新規に他社が参入する際の障害となるような事項のこと。
   (例)
  ・スイッチングコスト
他社製品に乗り換える際に必要となる費用のこと。
かつてのビデオに有ったベータとVHS間の乗り換え
にはビデオデッキの買い替えが必要という大きな
壁がありました。最近ではDVDの規格統一でしょうか。
・サンクコスト
埋没費用といわれ、すでに投資をした回収できない
費用のこと。これが参入のために避けられない費用
だとしたら、新規参入は難しくなります。
・5つの競争要因(ポーター)
  業界分析にも利用される5つの競争要因ですが、これは大手の参入
  を防ぐ上でも活用される考え方です。当然新規参入業者に対する
  参入障壁の構築が重要ですが、売り手からの原材料等の仕入れストップ
  など、いろいろな事象が「想定内」になるように検討しましょう。
・競争地位別戦略(ポーター)
  企業のポジションはリーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッ
  チャーに分類されます。経営資源が潤沢ではない中小企業はニッチ
  市場に資源を集中することが効果的です。
  市場の規模は大手が参入するには小さい市場規模であることが望ましい
  です。また、規模の経済性が効かない(大量生産によるコストダウンが
  起こり難い)市場であればベストです。
(原材料を大量購入しても調達価格が変わらないような場合です)



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■ 編集後記 ■
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第6号のメールマガジンをお送りします。

家のそばに捨て猫が3匹いました。。。
我が家の愛犬は一人っ子ですごい焼きもち焼きでして、
子猫などもらってくる状況ではありません。心配して
いたのですが、夕方にはどなたかがもらってくださったようです。
(ほっ)


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         「経営相談の日々」 No. 7
    
2005/5/24(発行:週刊)

 ビジネスプロシード/e診断.com: http://www.eshindan.com/

◆ 経営相談をとおして感じた「経営トピックス」を
◆ 中小企業診断士が毎週ご紹介するメールマガジンです。
◆ (個別の相談内容について記載するものではありません)

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□目次
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◆今日のトピックス
◆逆引き経営戦略


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■ 今日のトピックス ■
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◆規制緩和と規制強化

■規制緩和も規制強化もどちらもチャンスです!!

「規制緩和」というとFTA(自由貿易協定)のように関税障壁の取り除き、
自由貿易、そして安い輸入品による国内産業へのダメージ、と言った
ことが連想されます。
企業にとって安い海外製品は大きな問題であり、価格破壊/価格低下
による利益の減少、売上げの減少を引き起こします。国もセーフティ
ーネットなどで国内産業への援助を行っています。

 しかし、逆の立場では日本からの輸出促進や海外への投資・進出の
チャンスが出てきたとも言えます。先手を打って、付加価値の高い
日本人向けの高級品を日本に持ち込むようなビジネスも考えられます。
守るだけではなく「攻め」ることによって、新たな市場の開拓が可能
になります。

 最近では環境問題などを中心に「規制強化」も行われています。欧州
では、廃電気・電子機器リサイクル指令(WEEE:ウィー)、特定有害物質
の使用制限指令(RoHS:ローズ)などが発行され、家電メーカーなど
は大きな変革を求められています。
例えば、ハンダの鉛が有害とのことで、鉛を使わないハンダの技術を
開発している企業は大きなビジネスチャンスをつかんでいます。
過去には、排ガス規制にいち早く対応したホンダのエンジン開発の例
があります。大手自動車メーカーが反対している中で、いち早く排ガス
規制に対応し、市場拡大と市場の信頼を得ていきました。

 では、今後「規制」に関してどのような動きが予想されるか。
それを考えるヒントのひとつとして、アメリカ大使館から出されている
「規制改革要望書」をご紹介します。
http://japan.usembassy.gov/j/policy/tpolicyj-econ.html#kiseikaikaku

 ここには、年度ごとにアメリカから日本に対しての規制改革の要望が記載
されており、ある意味日本はその要望書に添う形での改革が進むと考えられ
ます。みなさんもこの要望書をウォッチしてみましょう。


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■ 逆引き経営戦略 ■
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◆ビジネスチャンスを見つける

・SWOT分析
  内部環境(自社)の強みと弱み、外部環境の脅威と好機を分析
  する手法としておなじみです。
  Opotunity(好機)はあくまで、自社の強みを生かし、弱みを補完
  するものでなければなりません。いくらビジネスチャンスがある
  市場でも、他社との差別化、自社の競争優位性が発揮されなければ
  勝機はありません。

・5つの競争要因分析
  すでに数回ご紹介していますが、自社の業界分析に使われるポーター
  の理論です。買い手、売り手の状況を調べ、新規参入の可能性、
  代替品の可能性を調べ、自社のビジネスチャンスの目を探ります。

・ニーズ(Needs)とシーズ(Seeds)
  新しい商品や新サービスは、実際の体験やお客の声から発生したものと
  独創的技術開発とその適用分野の設定による方法があります。
  前者はニーズ志向であり、後者はシーズ志向と呼ばれます。
  どちらが正しいということはありませんが、高い技術の商品が必ずしも
  市場で成功していない例を考えると、やはり「ニーズ志向」の商品開発
  が必要ではないでしょうか?
  「シーズ志向」の場合には、「その技術は誰のどんなニーズに応えられる
  のだろうか」と自問してみましょう。どんなに優れた商品も「ニーズ」と
  儲かるだけの「市場規模」がなければビジネスは成功しません。
  規制緩和、規制強化にともなうビジネスチャンスも「克服すべき必要性」
  (ニーズ)が原動力であるといえます。


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■ 編集後記 ■
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第6号のメールマガジンをお送りします。

規制緩和も規制強化も「環境の変化」です。
人間、同じ環境に留まることは楽ですが、回りが変化している時代には
自分が変わっていかなければなりません。

私の生活もここ数ヶ月で環境が大きくかわりました。私の場合には、
自分で選んだ道という面もありますが、自分で選んだその変化を
楽しんでおります。
 ※たいへんはたいへんですが、すべてが面白いと感じる毎日です。


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         「経営相談の日々」 No. 8
    
2005/5/31(発行:週刊)

 ビジネスプロシード/e診断.com: http://www.eshindan.com/

◆ 経営相談をとおして感じた「経営トピックス」を
◆ 中小企業診断士が毎週ご紹介するメールマガジンです。
◆ (個別の相談内容について記載するものではありません)

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□目次
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◆今日のトピックス
◆逆引き経営戦略


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■ 今日のトピックス ■
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◆適正な社員数とは

■「人手不足で仕事が取れない」とは?

「忙しい時には仕事が重なってしまうので販売チャンスを逃している
んですよ。困ったものです。。」
ありがちな話ですね。

一年を通して平均して仕事があれば、経営はかなり楽になります。

しかし、春には転勤・入学などが多く、住まいに関する仕事は多く
なるでしょうし、4月からが新年度であれば年度の変わり目で受注
量が変わる業種もあります。クーラーの取り付けは夏前に多いですし、
冬は少ないでしょう。

つまり、書入れ時には人手が足りず、閑散期には社員が遊んでしまう
という状態になってしまいます。人手が足りないからと言って正社員
を雇ってしまうと、人件費という固定的な給与(固定費)が増大してし
まいます。
※日本では売上げが悪いから即給与を連動して下げるという
 変動費的な運用はなされていません。

売上げがどんどん増えていけばいいのですが、売上げが思うように伸び
ないと、正社員の給与を第一に確保するためにその他の経費の削減に
つながってしまい、積極的な投資ができなくなってしまいます。
中小企業の場合には、社長の給料はさておいて、社員の給料確保のために
仕事をするという状態になります。

さて、このような状況を解決するためにはどのような方法が考えられるで
しょうか?

1)仕事量が均一になるように新たな仕事を開拓する。
これが、先ず始めに検討することです。
どうしても季節性のある業務もあります。しかし、そのままでは経営の安定は
図れません。
法人向けの仕事に季節性があるならば、個人向けの仕事を開拓して仕事量
を均一にできないでしょうか?
取引先の仕事量に振り回されているならば、他の取引先を開拓する努力は
できないでしょうか?

2)書入れ時には外注を使うことはできないでしょうか?
パートが使えるならばパート人材を活用しましょう。
技術が必要ならば仕事を引き受けてくれる同業者はいないでしょうか?
忙しいときでも常に受注して仕事をこなしてくれれば、取引先からの信頼度は
増すことでしょう。

3)どうしても社員の給与が重荷になるならば、適正人員を超えているとも言えます。
いわゆる「リストラ」ということになりますが、適正人員を超えているならば、
一度縮小均衡の経営を考えることも必要だと考えます。カルロス・ゴーンも先ずは
縮小均衡の経営にしてからV字回復を達成しています。
「リストラ」は辛い手法ですが、経営者が自殺しても誰も幸せにはなりません。
新しいことに取り組むとしても、(財務判断中心の)銀行は適正経営でなければ
お金を貸してくれません。
  ※本来は、このような状況になる前に新しいビジネスの目を育てるのが最良の
   経営であることは言うまでもありません。

正社員というストック人材から契約人材などのストック人材の活用が注目されています。
ストック人材の確保が難しければ、ストック型の協力会社の開拓でもよいでしょう。
正社員という固定費があなたの会社にとって相応な規模なのかどうか、今一度
考えて見ましょう。


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■ 逆引き経営戦略 ■
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◆適正な社員数とは?

適正な社員数を考える場合には、従業員一人でどれだけ付加価値を
生み出しているか? それは業界他社と比べてどうか? 人件費は
付加価値に対して適性な比率で分配されているか? などを検討します。

・労働生産性:
(従業員一人でどれだけの付加価値を生み出しているか?)
付加価値/従業員数=付加価値/売上高(付加価値率)
× 売上高/設備資産(設備資産回転率)
× 設備資産/従業員数(労働装備率)
・労働分配率:
(付加価値の内どれだけを人件費に当てているか?)
人件費/付加価値 = 人件費/売上高 ÷ 売上高/付加価値
         = 人件費/従業員数 ÷ 付加価値/従業員数
 つまり、労働分配率を抑制するためには、人件費を減らす、
 付加価値額を上げる、給与を下げる、生産性を上げる、という手法が
 考えられます。

 ※付加価値:ざっくりとは「売上額−仕入額」。
   経営革新法などでは「営業利益+人件費+減価償却費」と
しております。
原材料を使ってどれだけ「価値」を生み出したか、という
   目安です。

・固定費/変動費
 人件費は固定費とされてきましたが、昨今は正社員以外の雇用も増え、
 必要時には増やし、不必要時には削減できる変動費化の傾向が見られます。
 正社員の雇用を守るために苦しい経営を強いられている中小・零細
 企業も多数あります。
 仕事が多いからといって、安易に正社員を増やすと景気後退時に
 苦しい思いをします。
 先ずは、優秀なフロー人材や信頼できる協力会社との関係構築を考えましょう。


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■ 編集後記 ■
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登り調子のビジネスであれば(増産のための)運転資金の確保が問題と
なり、景気停滞の際は固定費の重さに苦しむ。。。
売れても、売れなくても、経営とは難しいものです。
そんな課題をどう解決するか、その違いが会社の浮沈にかかっています。
ちょっとした知恵とアイデアでそれらの課題を解決すれば、大きな
利益を確保できます。
「ゆで蛙」のように変化に気がつかずにゆでられてしまうのではなく、
常に変化を感じて先手先手で対策を考えることが大切ですね。
あ〜いい湯だな、っと。

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         「経営相談の日々」 No. 9
    
2005/6/7(発行:週刊)

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□目次
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◆今日のトピックス
◆逆引き経営戦略


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■ 今日のトピックス ■
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◆適正な社員数とは-その2

■「社員は長く勤めてもらいたい・・・」

前回は年度を通して仕事量に波があるような業種では、仕事量の均一化、
パートや外注の活用、そして止むを得ない場合の縮小均衡といったところ
をご紹介しました。
(お詫び)「正社員:ストック人材、契約社員:フロー人材」
 という表現でどちらもストック人材と誤記していました。
 お詫びします。

しかし、専門職の人材を確保する場合にはどうでしょうか?
資格が必要であったり、専門の技能が必要な職種では、パートタイムで
都合のよいときだけ働いてもらえる人材を確保するのは現実問題として
非常に難しいものがあります。

育成が難しい専門職の人材はできるならば長期間働いてほしいというのが
本音です。しかし、現状では人材の流動化進展に伴い、専門職の人材も
転職を行う傾向が見られます。

貴重な人材を社内につなぎとめるためにはどうすればいいのでしょうか?
高い給与はもちろん満足感を与えますが、その満足感は次第にあたりまえ
のものとなり、更なる賃金アップを求める欲求が発生します。

もし、社長が本当に社員を大切にしているのならば、社員ともっとコミュ
ニケーションを図ることが大切ではないでしょうか?
「がんばってる?」でも、「おはよう」でもいいでしょう。信頼関係
の構築は決して給与の向上だけでは作れないでしょう。
社員を信じ、期待し、権限委譲し、そして時には叱ることも大切でしょう。
いずれにせよ、上司と部下は信頼関係とお互いに懐に飛び込んで本音で
コミュニケーションをとくことが大切です。
社員はHuman Resource(消耗品?)ではなく、Human Capital(資産)なのです
から。。


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■ 逆引き経営戦略 ■
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◆社員は長く勤めてもらいたい

・マズローの欲求5段階説
人間の欲求は「生理的」、「安全」、「社会的」、「尊厳」、
「自己実現」という5段階をより高次なものを求めて移行する
という理論。
やはり、スキルアップの支援など、自己実現の場を会社が
提供することが一番いいのではないでしょうか?
・バーナードの組織成立の3条件
組織が成立するためには、「共通目標」、「貢献意欲」、
「コミュニケーション」が必要という説。
各人がばらばらに考え、貢献しても褒められることなく、
会話も無かったら。。。。そりゃ、辞めますよネ。。
・ハーズバーグの動機付け・衛生理論
満足を与える動機付け要因と不満をもたらす衛生要因。
給与のアップは満足の提供ではなく、不満足の解消にしか
ならない。。。過分にもらえば満足要因だと思いますが。


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■ 編集後記 ■
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先週号では誤記がありました。
正社員はストック人材で、パートなどは「フロー人材」です。
たいへん失礼いたしました。

ネタはまだまだあるのですが、時間配分が悪いのか、原稿の準備
に手間取ってます。。。
欲張ると仕事の質が落ちてしまいますね。
これは顧客の信用・信頼を失うことにつながりますので、
過度の仕事をするのは慎みましょう。。。
(自戒の念もこめて。。。)


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         「経営相談の日々」 No. 10
    
2005/6/14(発行:週刊)

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□目次
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◆今日のトピックス
◆逆引き経営戦略


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■ 今日のトピックス ■
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◆他社の逆を進む?

金型加工、印刷業などの業種では中国など海外生産の影響を大きく受け、
大量の発注が減って、少量多品種の注文への対応で生き延びている企業
が多いようです。
大量生産品に限らず、最近では海外の技術もどんどん向上しており、
「手間」という人件費がかかる仕事も人件費の安い海外で技術を持った
労働者を使って行う方が安い時代にもなってきています。
そのため、高級品路線が国内中小製造業の生き残り策とも言えなくなって
きています。

電機業界では「スマイルカーブ」という、デバイス(川上)とサービス
(川下)は儲かるが、アセンブル業(川中)は付加価値が低いと言われる
構造がありました。
しかし、パソコンのデルはBTO(受注生産方式)で売上げを伸ばし、また、
皆が撤退するなかビデオ製造を中国などで行って利益を出した船井電機など
の成功例が見られるようになりました。

どこかの偉い社長や学者が言ったから、というだけで皆が同じような戦略
を取ってしまうと、そこに差別化は出しにくくなります。
(まるで世界のベストプラクティスを埋め込んだSAPなどのERPを入れて、
世の中の企業がベストプラクティスだらけになるようなものです。。。)

苦しいから事業転換や廃業を考えるのではなく、苦しいからこそ独自の路線
を構築/守ることが大切です。
ハンバーガーの安売り戦争の際には、同調した企業は撤退を余儀なくされ、
安売り戦争に乗らずに、独自の路線を守った企業が生き延びた、という
例もあります。

みんなが苦しんで撤退を考えている時こそ、じっと我慢して自社の強みを
磨くという戦略(残った企業が市場を握る)も一つの選択肢かもしれません。


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■ 逆引き経営戦略 ■
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◆他社の逆を進む?

・競争地位別戦略(コトラー)
  すでにご紹介済みですが、企業のポジションはリーダー、チャレンジャー、
  フォロワー、ニッチャーに分類されます。経営資源が潤沢ではない
  中小企業はニッチ市場に資源を集中することが効果的です。
  
  このニッチ市場、考え方を変えれば経営資源の量ではなく、意図的に
  他社が撤退している市場を選択する場合もニッチ戦略といえます。
  (間接部門が肥大化した)大企業では利益を維持できない小さな規模の
  市場を敢え自社のターゲット市場にするのも一つの戦略です。
  小さな市場でも、そのすべてを握ったら独占者利益が見込まれます。
※6号ではポーターと誤記してました。これはコトラーの戦略です。

・競争優位の戦略(ポーター)
  ポーターは競争優位の戦略として、コストリーダーシップ戦略、差別化
  戦略、(コスト/差別化)集中戦略という3つの戦略を示しました。
  中小企業ではコストの低下を追及すると利益の減少を招き、それがそのまま
  経営を圧迫してしまいます。
  価格低下を招かずに、独自技術に集中する戦略が望まれます。
  他社が市場から撤退していけば、その分野で技術を保有しているのは
  自社だけ、という逆張り戦略も差別化集中の変種と考えられます。


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■ 編集後記 ■
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ついに本メールマガジンもN0.10となりました。
誤記もすでに幾つか発見されました。
以降注意いたしますです。すみません。

それにしても、元気な中小企業の社長さんを見ているとうれしいですね。
自分の戦略に自信を持って、信念を持って経営をするというのが一番
ですね。「弱気」は社員にも伝染してしまいます。


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         「経営相談の日々」 No. 11
    
2005/6/21(発行:週刊)

 ビジネスプロシード/e診断.com: http://www.eshindan.com/

◆ 経営相談をとおして感じた「経営トピックス」を
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□目次
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◆今日のトピックス
◆逆引き経営戦略


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■ 今日のトピックス ■
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◆融資を受ける
今回は「融資」を受ける場合の考慮点を少しご紹介します。

別にお金が余っていれば特にお金を借りる必要は無いのですが、
予期せぬ売上げ変動や取引先の倒産などによる運転資金の不足や
売上げが拡大している時の原材料の事前仕入れなどどうしてもお金が
不足する時があります。

そのような場合にどこから借りるか、参考までにご紹介します。

借入金額の大小や期間などによって借入機関が変わってきますが、
以下に目安をご紹介します。

1)先ずは所属の市区町村の融資を確認してみる。
市区町村の融資では利子補給や信用保証料の補助などの
優遇策があります。
概して借入金額は小額ですが1500万円位までの融資であれば
先ずは市区町村の管轄の役所を訪問して相談してみましょう。
ただし、市区町村がお金を出すのではなく、提携銀行を利用
することになりますので、あくまで提携銀行の判断次第になります。
その意味で、日ごろから金融機関と安定した取引実績を作っておく
ことが望ましいです。

2)次に国民生活金融公庫の融資を確認してみましょう。
スピーディーに小額に融資が必要な場合には国民生活金融公庫の
利用が考えられます。
市区町村で利子補給をしている場合もあります。
俗に言うマル経融資など商工会議所、商工会などの指導を受ける
必要のあるものもあります。経営指導を受けるためにも商工会議所等の
会員であることが重要です。

3)都道府県の融資を検討してみる
都道府県の融資は市区町村の融資に比べ融資枠が一般に大きくなります。
市区町村の融資枠では間に合わないようであれば都道府県融資を
検討してみましょう。
これも、提携銀行からの融資となりますので銀行との取引実績が重要です。

4)新銀行東京
東京であれば新銀行東京もこれからは検討対象になるでしょう。
実績はこれからですが、リレーショナルバンキングを重視する銀行
として、深いお付き合いをしたい銀行です。

5)その他リレーショナルバンキングを行っている銀行
信用金庫などは特に市区町村などと深いつながりを持っており、
担保主義ではない企業との日ごろのリレーションに基づく格付けでの
融資を進めています。
いわゆる「担保主義」だけではなく、財務状況の公開状況、今後の
経営戦略の策定状況など、より一層経営者や企業の資質が問われる
ことになります。
返済金額を返せないような事業計画しか立てられなければ、融資の
可能性は低くなります。金融機関や信用保証を行う信用保証協会など
が納得するような事業計画と経営の透明性が必要です。


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■ 逆引き経営戦略 ■
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◆融資を受ける

・セーフティーネット
連鎖倒産防止や特定不況業種などの救済として、信用保証制度の
別枠保証が受けられる制度です。無担保無保証人で1250万円の
枠の拡大などがあります。
・制度融資
市区町村、都道府県、国民生活金融公庫などの国策機関による
公的な融資制度のこと。低利融資、利子補給、信用保証料補助
などの制度があります。
・リレーショナルバンキング
担保主義ではなく、経営者や経営内容などを判断して企業を
格付けし、その格付けに応じた金融支援を行うことを言います。
・企業格付け
経営者や経営内容などを判断し、企業の貸倒リスクを算定し、
それに応じた貸し出しのためのランク付けのことを言います。
企業格付けを上げるためには、財務状況を透明化し、企業の
現状、今後の見通しなどを明確にし、安定度、信頼度などを
正しく査定してもらうような努力が大切です。
中小企業新事業活動促進法
企業格付けを向上させるための一助として、公的な事業計画の
認定を受けることが有効です。中小企業新事業活動促進法は、
旧経営革新法や旧創造法などを統合したもので、経営革新計画
に関する制度も含まれています。
このような公的な認定制度を利用し、自社の事業計画を客観的に
認定してもらうことにより、企業格付けの向上を図ることができ
ます。

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■ 編集後記 ■
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今回は趣を変えて、融資についてご紹介しました。
助成金ではなく、「融資」ですので、当然返却することが必要です。
信用保証協会の保証をもらうと、返さなくてもいい???と思って
いる方もいるとか。。。。
世の中踏み倒してもいい融資はありませんね。。。。。
身内・友人からの借入も踏み倒したらどのようなことになるか・・・


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         「経営相談の日々」 No. 12
    
2005/7/12(発行:週刊)

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□目次
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◆今日のトピックス
◆逆引き経営戦略


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■ 今日のトピックス ■
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◆どこに出店するか?

 大規模ショッピングセンターなどは別として、小売業や飲食業では、
「立地」がとても大切な要素になっています。
特に飲食業では立地が売上げに大きな影響を与えます。

 ファーストフード店のようにチェーン店の場合には、更に、最適な
店舗への食材の配送経路の検討も重要になってきます。
ファーストフードチェーンやコンビニエンススとエでは、よく
「ドミナント出店」という形態を取ります。
これは、「集中出店」と言われ、食材を最短経路で配送することによる
コスト削減、店舗間での商品の融通、共同広告による広告宣伝費の
有効活用などが目的とされています。

 独立店舗の場合には、上記のようなことは考えなくてもいいわけですが、
それだけにお客をどれだけ「集客」できるかが重要になります。
飲食業で新規出店を考える場合の立地は、以下のようなことを検討する
必要があります。

・競合店は近くにありますか?どこにありますか?
・競合店はお客が集まっていますか?
・ターゲットとするお客様は近くにいますか?
 または、その場所ではどのようなお客が想定されますか?
・人の主な移動手段は何ですか? バス、自転車、車、徒歩どれですか?
 また、どのようなお客をターゲットにしていますか?
・営業時間はいつですか?朝、夜営業しますか?
・土日と平日ではお客の流れに違いはありますか?
・晴れの日と雨の日でお客の動線は変わりますか?
・家賃はその場所で妥当ですか?
・以前その場所ではどのようなお店がありましたか?
 また、そのお店が閉店した理由ななぜですか?
・あなたはその場所で開店して必ず勝てると自身が持てますか?

 学生街には学生が多いですが、長期の休みもあります。
夏休みに売上げが激減して経営が苦しくなってしまったというお店も
実際にあります。
 メインストリートに出店しても、結局高い家賃を回収するには売上げ
が不足して閉店してしまうお店もあります。
そうかと思えば、近くに会社がありながら飲食店が少なくて、独占状態
というお店もあります(これは幸せですね)。

 もちろん、少々の立地の不利を卓越したマーケティング手法でカバー
している店舗もあります。
たとえば、路地裏のお店でも巧みな「看板」やチラシなどで集客に成功
しているお店があります。

 一ついえることは、自分で自身を持てない場所で出店するのはやめた
方がいいということです。自分で納得し、自信を持って出店できる
場所で勝負しましょう。
ここなら自分で何とか集客できる。そんな自信が持てたら、あとは自分の
技術で勝負するだけです。
どのようなお客がいて、そのうちのどのようなお客をターゲットとし、
そしてそのためにどのような商品を用意し、どのような差別化要因を
持って、何時から何時まで営業するか。。。
それにより一日にどれくらいのお客が来店するのか?

今回、主に飲食業での立地を考えてみました。
すでに出店されている場合には、現在の集客が地元の客層にマッチ
しているかもう一度考えてみませんか?
出店当時と客層が変わっていると言うこともありえます。

常に新鮮な気持ちでお客様がどこにいるかウォッチしてみましょう。


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■ 逆引き経営戦略 ■
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◆どこに出店するか?
・人口統計
地域の役場にはその地域の町丁別の人口統計があります。
男女人数、年齢別人数などの情報も得られます。
出店を考えている地域にどのような人がいるのか十分に調査
しましょう。
・商圏分析
すでに開店している場合には、お客がどの範囲から来ているか
を調査し、自店の集客範囲と競合店の位置などを分析します。
出店前であれば、どのような交通手段でどのような範囲から
お客が来ると考えられるか、500m程度の範囲、1kmの範囲など
で考えて見ましょう。
通常飲食店は徒歩、個人客ならば自転車も考えられます。
家族ならば車か徒歩範囲での範囲となります。
また、家族対象であれば、出前などの範囲も考えて見ましょう。

商圏分析にはGISと呼ばれる地図情報システムを活用すると
有意義な分析ができます。最近は非常に低価格の製品も
でていますので検討してみましょう。
・ドミナント出店
コンビニエンスストアやファーストフード店で採用されている
出店方法。
集客が見込める大都市に集中的に出店することにより配送コスト、
広告宣伝費の共通化などのメリットを生かした出店方法。
ダイエーも経営効率化を考えて広く北陸、東北地方など点在している
店舗の出店を減らす方針を出しています。


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■ 編集後記 ■
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3週間ぶり(2回お休み)の発行となりました。
雑誌への寄稿という執筆の仕事が入り、どたばたしておりました。
どうもすみません。
今回は新規創業における出店時の「立地」について考えてみました。
どのような場所でも適切で、協力なマーケティングに集客に成功
しているお店があります。
また、競合がいないために殿様商売を続けていられるお店もあります。
世の中には楽して儲けている人もいるわけです。
できるなら、いい場所でより多くのお客様に来てもらいたいものです。


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         「経営相談の日々」 No. 13
    
2005/7/19(発行:週刊)

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□目次
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◆今日のトピックス
◆逆引き経営戦略(今回はお休みします)


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■ 今日のトピックス ■
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◆開業と必要な資格

 開業相談をしているとよく聞かれる内容として「資格の必要性」
があります。簡単に概要をまとめてみましょう。

先ず、「業務独占資格」と呼ばれるものがあります。弁護士や税理士、
医師などその資格がなければ業務を行うことができない資格です。
これらの資格は法律により他の人がやることが禁じられていますから、
開業する上で非常に有利になります。
これらの業種での開業を考えている場合には資格の取得が必須です。
(というか、これらの資格を取って開業を目指しているわけですから、
知らずに開業している人はまずいませんね。)

そのほか開業時の資格としては許可制・届出制の業務があります。
以下が主な物です。

■飲食:  食品衛生責任者(保健所)
 飲食店営業許可(保健所)

「調理師免許」と言うものがありますが、これは飲食店開業で必須
ではありません。技術水準を示すものですので料理をする方はチャ
レンジした方がいいでしょう。
また、「製菓衛生士」という資格もありますが、これもケーキや和菓子の
お店を開業するのに必須ではなく、スキルを証明する資格です。
ただ、夜間まで営業する場合には風営法に従い警察署への届出が必要に
なりますので、その点は注意しましょう。

食品販売関係では兎に角保健所に行って営業許可をとる際に、必要な資格も
確認しておきましょう。
(ちなみに石焼き芋の移動販売は営業許可もいらないようです。)

■酒:   酒類小売販売免許(税務署)

酒類販売では「距離規制」、「人口規制」が撤廃され、事実上自由に
なりました。

■中古品: 古物商許可証(警察署)

主婦の方が気楽にリサイクル用品などの委託販売で開業を考えたりされますが、
古物商の届出が必要になりますので注意しましょう。
また、インターネットオークションのサイトなど運営する場合も必要になります。

■ペット: 動物取扱業の許可(保健所)


インターネットでの商売など気楽に考えておられる方もいるかと思いますが、
最低限必要な許可は得るように注意しましょう。


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■ 逆引き経営戦略 ■
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◆  今週はお休みします。


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■ 編集後記 ■
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今週は開業時の資格について書かせていただきました。
話題が特別だったので、逆引き経営戦略はお休みです。

関東も梅雨明けとのことです。
明日からも熱くなりそうです。ビールには利尿作用があるので、
脱水時の水分補給としては不適切だそうです。
でも、暑くてのどが渇いたときこそビールがおいしいのですけどね。。

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         「経営相談の日々」 No. 14
    
2005/7/26(発行:週刊)

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◆ 中小企業診断士が毎週ご紹介するメールマガジンです。
◆ (個別の相談内容について記載するものではありません)

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□目次
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◆今日のトピックス
◆逆引き経営戦略


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■ 今日のトピックス ■
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◆営業のアウトソーシング

 昨今は自社のコアコンピタンスに資源を集中し、それ以外の業務は
企画から運営まで外部に任せる「アウトソーシング」(外注化とは
異なる)が注目を集めています。
情報システム、物流、経理・給与業務やのアウトソーシング化から、
果てはEMSなどの製造、人事に至るまで、最近は間接部門をアウトソ
ーシング化して固定費の変動費化が図られています。

 そして、「販売」という直接業務までがアウトソーシングの対象に
成ってきています。そもそも、開発型企業・ファブレス型企業で、
主に新製品の販売戦略の立案から実行までをアウトソーシングすること
が多いのですが、既存ビジネスの新たなチャネル開発にも営業アウト
ソーシングが使われています。

「販路開拓」、「ビジネスマッチング」という意味では、中小企業
支援センターなどでも中小企業の販路開拓のサポートを行っています。
これは、大手民間企業OBの経験や人脈を使って販路を開拓したり、
売る側と買う側のお見合いの機会を作ってお互いのニーズを満たそう
というものです。

 さらに最近は「営業代行」という業態も現れてきました。
経済産業省も「セールスレップ制度」として支援を行っています。
営業代行と言っても一括請負型など着手金が必要なタイプや成功報酬
方式など契約形態はいくつかあります。また、利用フェーズも営業戦略
の作成、新規顧客の開拓、顧客リストに基づく営業行為の代行など
さまざまです。契約に際しては機密保持契約の締結なども重要になります。
 販売ターゲットが自社でも不明確な段階で契約をする場合には、テスト
マーケティングの一つとして割り切るくらいの覚悟も必要でしょう。

米国ではセールスレップと呼ばれる個人事業主が多数いると言われてい
ますが、日本での利用はまだこれからが本番というのが私の実感です。

十分な事前打ち合わせと適切な営業代行・セールスレップとのマッチング
がとても重要ですが、経営資源が不足する中小企業ではこれからこのような
アウトソーシングの活用も重要ではないかと考えます。


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■ 逆引き経営戦略 ■
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◆営業(業務)のアウトソーシング
・選択と集中
ジャック・ウェルチがGMの事業再編に際して取った手法。No.1、
 No.2の事業以外を売却・廃止してコアコンピタンスの集中と選択を
 行った。コアコンピタンスの選択と集中のためのツールとして
 アウトソーシングという手法がとられる。
・コアコンピタンス/競争の源泉
 G・ハメルとC・K・プラハラードの「コアコンピタンス経営」という
 著作によって広められた概念。企業における競争優位の源泉となるもの。
 アウトソーシングは企業が自社のコアコンピタンスに集中するために
 外部に業務を委託する際の取られる手法。
・BPR
 ビジネスプロセスエンジニアリングの略。M・ハマー&J・チャンピー
 の著作「リエンジニアリング革命」で広まった経営手法です。
 BPRとは、コスト、品質、サービス、スピードのような重大で現代的な
 パフォーマンス基準を劇的に改善するために、ビジネス・プロセスを
 根本的に考え直し、抜本的にそれを再設計すること。
 このプロセスの見直しの過程で自社が注力しない業務のアウトソーシング
 という手法がとられる。
・ネットワークの経済
 規模の経済(大量生産)、範囲の経済(多商品生産)がよいとされた時代から、
 自分が得意とする商品・技術に特化し、足りないものは企業連携によって
 補おうとする選択と集中の戦略。例えば自社は設計に特化し、製造は
 製造専門の企業との連携で生産の最適化を図るような企業連携が取られる。


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■ 編集後記 ■
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Skypeという無料電話を入れてみました。
ソフトは無料でダウンロードでき、ヘッドセットさえあれば
すぐにも環境を準備できます。私は、どうも音質がわるいので
SkypePhoneというものを買ってきました。すこぶる音声はいいですね!
有料になりますが、Skypeoutという機能で固定電話などにも
電話できます(国内も海外も日本からは1分2円位です。)
(Skypeoutは除いて)現在困っているのはパソコンの電源を入れっ
ぱなしにしている通話相手がいないことでしょうか。。。トホホ。
詳しくは下記をご覧ください。
 http://www.skype.com/intl/ja/


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         「経営相談の日々」 No. 15
    
2005/8/2(発行:週刊)

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◆ 経営相談をとおして感じた「経営トピックス」を
◆ 中小企業診断士が毎週ご紹介するメールマガジンです。
◆ (個別の相談内容について記載するものではありません)

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□目次
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◆今日のトピックス
◆逆引き経営戦略


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■ 今日のトピックス ■
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◆取引先の倒産

 企業にとって売上げを上げ、利益を上げることは重要なことですが、
売った代金が必ず手元に入ってくるとばかりは言えません。交通事故
にも似ていますが、突然取引先の倒産を知る場合もあります。取引先
と長い間取引を行っており、信頼関係が有ればなおのこと油断をして
しまいます。

 その意味で取引先の分散は重要で、1社、2社の取引先に大きく依存
していると思わぬ痛手を負いかねません。

 そもそも、取引先の倒産は避けられないのでしょうか?
少なくとも倒産を事前に回避できるように日ごろから努力することは
できるように思います。

 大口取引先であれば社長自ら顔を出して支払をお願いし、相手の会社
の状況を肌で感じておく必要があるでしょう。

一般的には、以下のような行為があると危険の予兆と考えられます。
  ・累積赤字が資本を超えてしまっている(ビジネスの限界)
  ・融通手形を発行している(相手企業に未収金が発生してきている)
  ・資金繰り悪化(資金不足)
  ・経理担当者の退社(よくない社内状況の表れ)
  ・薄利多売になってきた(根本的に売上げが低下傾向にある)
  ・突然の取引の増加(他からの仕入れができないか、商品を売り飛ばしている)

 しかし、取引先が多くなってくるとすべての企業に目を配ることが
難しくなります。そのため、万が一もために「中小企業倒産防止共済」
などを利用して、いざという時に融資を受けられるように事前対応する
ことも必要でしょう。

 この制度は積み立てた額に応じた融資が受けられ、また掛金の税金優遇
もあります。また、40ヶ月以上継続していれば掛金が全額戻ってきます。
取引先の倒産で自社の資金ぐるが悪化しても、短期の高利な融資ではなく、
セーフティーネット保証など有利な融資を先ずは考えましょう。

まとめると、
・大口取引先にはこまめに顔を出してチェックする
・新規取引先の開拓による取引先の分散を図る
・万一のことも考えて(倒産防止共済など)保険に入っておく
※40ヶ月以上継続していれば、任意解約でも全額戻ってきます。



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■ 逆引き経営戦略 ■
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◆取引先の倒産
・中小企業倒産防止共済制度
中小企業基板整備機構が行っている共済制度。
いざというときに無担保・無保証人・無利子(ただし掛金の
一部を充当)で融資を受けることができます。
詳しくは、下記を参照ください。
http://www.smrj.go.jp/tkyosai/
・セーフティーネット保証
セーフティーネット保証は1号(連鎖倒産防止)から8号(RCCへの債権譲渡)
までのさまざまな条件で信用保証協会から優遇を受けられ者です。
東京都では区の認定を受けて優遇策のある融資を受けることができます。
・倒産対策資金
国民金融公庫や都道府県などで行っている倒産防止のための融資制度。
中小企業倒産防止共済に加入していなくてもこれらの融資を利用できます。
・企業与信
取引を企業と行う場合には、その企業の業績や経営状況などを判断
して、企業の信用調査を行っておくことが肝心です。
多額の取引をしても問題ないか、などを調査します。
・融通手形
商品の取引など発生していないのに発行される手形。
取引先の都合で相手に対して発行される手形。
元々入金の当てもなく発行される手形なので、回収できない
リスクが大きいです。


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■ 編集後記 ■
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電車の中で家族連れをたくさん見るようになりました。
・・・・今は夏休みですからね。。。。
私は夏休みを取れるのでしょうか?
一応「年中無休」と対外的には言っておりますが。。。


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         「経営相談の日々」 No. 16
    
2005/8/9(発行:週刊)

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□目次
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◆今日のトピックス
◆逆引き経営戦略


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■ 今日のトピックス ■
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◆身近な支援拠点(中小企業支援センター)

今回は少し趣を変えて、「中小企業支援センター」についてご紹介します。

中小企業基本法の改正に伴い、「身近な支援拠点」の設置という目的の
元で「3類型支援センター」が設置されました。
3類型というのは地域ブロックで支援する中小企業・ベンチャー総合支援センター
(経済産業省の全国の8ブロックに設置)、都道府県等中小企業支援センター
(各都道府県・政令指定都市の振興公社等に設置)、地域中小企業支援センター
(商工会・商工会議所に設置)の3つです。

なかなか、これらのセンターの実態は理解されていませんが、それは今までの
各種支援団体が兼務しているからと思われます。

例えば東京都の中小企業支援センターは財団法人東京都中小企業振興公社に
設置されており、元々の振興公社の業務とある意味で住み分けをしながら
存在しています。(都道府県等)中小企業支援センターの業務は各都道府県で
力点が異なっており、東京都の場合には事業可能性評価事業に力点が置かれています。
(というか、その他の相談業務、専門家派遣などはもともと振興公社で行って
いました。)

利用者としては自分の求めるサービスが振興公社のものか、商工会議所のものか、
はたまた支援センターの物かはあまり意識しなくてもよいと思います。
受けたサービスの対応者が公社や商工会議所の従業員か委嘱を受けた専門家、
またはセンターの専門家の誰かだということです。

私はある支援センターの委嘱を受けておりますが、事業可能性評価を
中心に公社の有する機能を各種利用し、主に新規創業・第2創業を目指す
中小企業事業者の皆様に便宜を図るような支援をさせていただいいます。
その業務の中には継続的な企業に対する支援もあります。

お伝えしたいことは、皆様の身近に中小企業支援のための組織があること。
そしてそれは都道府県ごとにも経済産業省のブロックごとにも存在している
こと。そして、それらのほとんどのサービスが無料で利用できるということです。

ぜひ、皆様の身近の支援拠点である各種センターを大いに利用してください。


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■ 逆引き経営戦略 ■
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◆身近な支援拠点

・中小企業・ベンチャー総合支援センター
全国8箇所の経済産業省の出先機関に設置されています。
行われている業務は下記の内容です。
 1)相談窓口
 2)専門家の派遣
 3)情報の提供
 4)ビジネスプラン発表会等の開催
 5)ビジネスアイデア支援モデル事業
 6)がんばる中小企業「なんでも相談ホットライン」

・都道府県等中小企業支援センター
各都道府県及び政令指定都市に設置されています。根拠法は
「中小企業支援法」です。下記の業務が行われています。
 1)相談窓口
 2)専門家の派遣
 3)情報の提供等
 4)事業可能性評価委員会

・地域中小企業支援センター
商工会・商工会議所に設置されています。行われている業務は下記の
内容です。
1)相談窓口
2)情報の提供等

上記は中小企業基本法に基づいていますが、その他、各種市区町村でも
それぞれ融資や経営相談などの支援サービスが行われています。
3類型の支援センターとともに、身近の行政機関を覗いて相談して見ましょう。
必要に応じて他の支援センターなども紹介してくれるでしょう。

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■ 編集後記 ■
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中小企業診断士試験が先週末の土日に行われました。
真剣な受験生がどんどん増加しています。
ややもすると大企業診断士とも言われる大企業、MBA志向の受験生
が増えていますが、中小企業のためにがんばろうとしている方もまた
たくさん受験されています。
ぜひ、どんどん合格して中小企業の発展に寄与してもらいたいものです。


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         「経営相談の日々」 No. 17
    
2005/8/16(発行:週刊)

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□目次
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◆今日のトピックス
◆逆引き経営戦略


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■ 今日のトピックス ■
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◆「ものづくり」におけるダーウィンの海

 先日「中小企業診断士試験」が行われました。そこで技術の事業化に
関して「ダーウィンの海」についての説明が問われていました。

そこで今回は「技術」と「ビジネス」の関係について記載してみます。

 世の中にはすぐれた技術や特許を開発・取得し、事業化を考える多くの
「起業家」の皆さんがいらっしゃいます。私もいろいろな優秀な皆さんと
お会いする機会があるのですが、残念ながらその「技術」をうまく「ビジネス」
にまで仕上げて成功を勝ち取ることができないケースがたくさんあります。
非常に残念なことです。

 経済産業省はMOT(技術経営)の導入促進を図って、技術をビジネスに
結び付けるための教育を促進しています。MOTでは成功のためには、
「魔の川」、「死の谷」、「ダーウィンの海」という3つの障壁を乗り越え
ないといけないと説明しています。

 これはもともと米国で言われてきた言葉だそうですが、以下のような技術開発、
製品化、事業化、業界進出の4段階の間に潜む障壁だと言われています。

技術開発→(魔の川)→製品化→(死の谷)→事業化→(ダーウィンの海)→業界進出

 これはそれぞれ、唯の思いつきだけでは製品化にはならず他者の理解を得て製品化
を進める必要があること(魔の川)、試作・製品化の段階から事業化へは継続した投資を
行う決断が必要であること(死の谷)、例えうまく新製品が開発されても、既存商品
や競合企業との競争に打ち勝つ必要性があること(ダーウィンの海)を示しています。

 最近のインターネットを利用したサービスは小資本での起業が可能ですが、
「ものづくり」には多額の投資とリスクが必要であり、上記のような障壁を乗り
越えることが必要となります。
そしてこれらの障壁を乗り越えられるかどうかの最大のキーポイントは「人物」、
経営者の資質とバイタリティによるところが非常に大きいと感じています。

ビジネスとして成功を収めるために、経営者には、単に「技術」だけではなく
技術を展開する信念(小泉首相のようなしつこさ・・)、営業力やマーケティング
センス、人脈、資金調達能力(経営姿勢や行動力などが関与)などが強く求められて
います。


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■ 逆引き経営戦略 ■
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◆ものづくりにおける障壁

・MOT:Management of Technology(技術経営)の略。
「技術を事業の核とする企業・組織が次世代の事業を継続的に
創出し、持続的発展を行うための創造的、かつ戦略的なイノ
ベーションのマネジメント」
技術者が技術をビジネスに結びつけるための教育制度です。

・魔の川:研究や技術を製品化のプロセスへ進める際に存在する障壁。
 実用化の観点で推進力が無いとこの川を超えられない
・死の谷:製品を事業化するプロセスで存在する障壁。商品として完成
 させるための継続投資の段階で篩にかけられてしまうこと。
 試作品を作っても量産化のためにはさらなる推進力が
 必要となります。
・ダーウィンの海:商品化されてもそれが市場に受け入れられるわけでなく、
     厳しい市場競争の中で淘汰されてしまうこと。


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■ 編集後記 ■
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夏休みの最中の方もお仕事中のかたもいらっしゃるかと思いますが、
今回日中の配信となりました。
ご迷惑にならないように夜中の発行に努めていましたが、ご容赦
ください。
みなさん、暑さに負けずにがんばりましょう。

ところで、今度の選挙はどちらが勝つのでしょうか?
なにしろ経済の活性化と行政の透明化を期待しておりますです。

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         「経営相談の日々」 No. 18
    
2005/8/23(発行:週刊)

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□目次
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◆今日のトピックス
◆逆引き経営戦略


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■ 今日のトピックス ■
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◆時代を変える技術
マブチモーターがCDプレーヤー向け売上げの減少を発表していました。
これはiPod shuffleなどメモリを使った携帯音楽プレーヤーが普及
してきたためだとのことです。
CD、MDが普及し、そしてアップルのiPodに代表される小型HD内臓の
音楽装置がヒットし、またiPod Shuffleのようにメモリ記憶型の
機器がヒットしています。確かに音飛びもなく、きれいな音楽を聴ける
ようになったことは革新的なできごとです。
音は「回して」聞いていた時代からメモリに溜め込んだ音楽を聴く時代
になってきました。
そしてそこではモーターも必要なくなりつつあります。

電話の世界でもIP電話が出現し、Skype電話が登場し、電話料金の
世界にも変革が起こっています。
お葬式も「家族葬」という家族だけの葬儀によりこじんまりと安く
行うケースも増えてきています。
また、クルマの世界でもハイブリッド車が注目を浴び、燃料電池の活用
が進められています。将来的には水素自動車などの出現することでしょう。

今当たり前だと思っている技術が、劇的に変化することが考えられます。
以前「ゆで蛙」のお話をしましたが、メモリの大容量、低価格化は
パソコンの世界では毎年恒例の出来事のように捕らえられてきましたが、
それが音楽再生装置の世界を劇的に変えつつあります。

他の分野でゆっくりと進化している技術がある日突然予想していない分野に
適用されて産業構造が大きく変わる可能性があります。

どのような企業も今が順調だからといって次の時代に起こるリスクを想定
していないと、痛い目に合いかねません。
劇的な変化は明日起こるかもしれません。


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■ 逆引き経営戦略 ■
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◆時代の変化を読む

・シナリオプランニング
  企業の長期戦略策定方法。企業に利益、不利益をもたらす様々な
  将来のシナリオを予め想定し、不測の事態が起きても企業が将来に
  対して効果的に対応する方法を提供します。
  古くは、ロイヤル・ダッチ・シェルがこの手法を採用し、OPEC主導
  によるオイルショックを巧みに切り抜けた事例があります。

・MECE(Mutually Exclusive Collectively Exhaustive)
物事を考える場合の検討方法で、モレなく、ダブリなく場合分けを
  行って対応方法を検討する考え方です。
  マッキンゼーが考え出した概念・手法。
  例えばターゲットを男女で漏れなく場合分けし、それぞれさらに
  特徴的な属性(年齢など)でもれなく場合分けをし、それぞれの対応を
  考えるなどの使い方をします。「場合分け」の切り口をどう取るかも
  一つの重要な要素になります。

・仮説検証
  蓄積した情報の分析に基づき一つの仮説を立て、対応策を計画し、
  それを実行し、またその結果を分析・検証し、次の新たな対策を立てて実行する
  というサイクルで将来を探っていく方法です。
  「なぜだろう」と思ったら「きっとこうだろう」と考えで実行し、
  間違っていたらまた考え直して実行する・・・当然と言えば当然ですが。。


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■ 編集後記 ■
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「仮説検証」を紹介しました、ビジネスプランや夢の実現も同じですね。
やってまなければわからない。そして、失敗点があれば改善しなければ
進歩は無い。。ビジネスプランも毎日反省し改善しなくっちゃ。。

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         「経営相談の日々」 No. 19
    
2005/8/30(発行:週刊)

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□目次
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◆今日のトピックス
◆逆引き経営戦略


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■ 今日のトピックス ■
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◆逆特区
 規制緩和の突破口として「金融特区」や「どぶろく特区」などなど、
多くの「特区」が生まれてきています。一方これとは逆に、現状維持や
「調整地域」を設定するものが「逆特区」と呼ばれています。
「逆特区」として一番有名なのが酒税法の改正に対する緊急調整
地域の設定です。

 酒税法の改正により酒類小売業免許の「距離規制」や「人口規制」
が撤廃されました。とは言ってもいきなりコンビニエンスストアなど
が酒類販売に一気に参入すると一般酒販店に打撃が大きいとの判断で、
「逆特区」が指定されました。
この緊急措置は1年延期されて平成18年8月31日まで延期される
ことになりました。

自由競争はしばらくお預けになりましたが、では、酒販店はどのような
対策を講じる必要があるのでしょうか?

1〜2年競争が先延ばしされるだけでは、事態は何も変わりません。

すべてのお店が生き残れるわけではないとすれば、「地域一番店」
を目指した経営が必要です。そのためには、他の酒販店との違いを
明確にし、独自性を持った品揃えと経営が必要です。

この「地域一番店」、生き残りを賭けたすべての業種で考えなければ
ならない課題だと思います。
あなたのお店は、他の同業店とどこが違いますか?自信を持って
他店との違いを説明できますか?


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■ 逆引き経営戦略 ■
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◆  今回はお休みします。

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■ 編集後記 ■
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雑誌で野菜もネットで買う時代、という記事がありました。
有機野菜など特別なもので、おいしい野菜は、確かなリピーター
をつかむようです。
もしかすると、差別化さえうまくやればインターネットで取り扱え
ないものはないのでしょうか?

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         「経営相談の日々」 No. 20
    
2005/9/20(発行:週刊)

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◆今日のトピックス
◆逆引き経営戦略


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■ 今日のトピックス ■
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◆法人か個人事業か?
 開業を考えている場合に、法人にするべきか、個人事業にする
べきか、という質問がよくあります。

実際のところどうなのでしょうか?

 それぞれにメリット、デメリットがありますが、一つ特徴的な違いが
あります。それは、法人の場合「役員報酬」は経費として処理し、
経費処理した上で税金を取られますが、個人事業の場合には利益に対して
課税され、その余りが給与というか自由になるお金になるという点です。
つまり、個人事業では「生活費/給与」は経費にはならず儲けに
対して税金を引いて生活費が出ると言うわけです。
(まあ、税金引いたらすべて自分のものですが。。。)

 このように言うと「では法人の方がいいのでは?」と思われますが、
課税所得の額により税率が異なりますので一概には言えません。

 法人税の上限は30%ですが、個人の所得税の上限は50%近くになる
場合もあり、課税所得が少ない場合には個人事業が低税率で、高額
の場合には法人の方が低税率です。
どのあたりが境目かと言えば、「課税所得」が900万円を超えてくると
法人の方が有利です。
(課税所得が330〜900万円は税率20%、900万円以上は30%、法人税は
800万円以下は22%、800万円を超えると30%です。900万円であれば
同じ税率ですが、経費の取扱い範囲が法人の方が有利になります。)

細かく節税に努めれば900万円、800万円以下でも法人税を有利にする
ことも可能ですが概ね課税所得(売上げから経費や社会保険料を引いた
額)が800〜900万円以下であれば個人事業で十分でしょう。

法人と個人事業の間は、「法人成り」や「個人成り」で変更が可能です。
但しこれら処理では「登記費用」が必要になります。

ということで、「ものづくり」で大きな資本が必要な場合は会社設立も
必要ですが、小さくはじめるならば個人業からはじめるというのは
どうでしょうか?


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■ 逆引き経営戦略 ■
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◆法人か個人経営か?

以下に法人と個人事業の比較を行います。
       法人         個人
=====================================================
申請     登記         開業届け
業務範囲  定款に規定       自由
信用     大          小
給与    役員報酬(経費)   余った利益
保険    会社で半分支払える   自腹
帳簿     必要         いらない(青色申告は別)
税率     最大30% 累進課税


・確認株式会社
1円起業がもてはやされた「中小企業挑戦支援法」ですが、5年以内に
法人に向けた増資が義務付けられていました。
しかし、来年の会社法改正にともない、これらの確認会社も登記事項の
変更などでこの縛りをはずすことができます。
従って、来春会社を設立しても、春までに確認会社を設立してもそれ
ほど心配する必要はなくなりました(ただし、登記の費用などはかかります。)


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■ 編集後記 ■
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ここ2週間お休みしてました。
すみません。
少し題材の品質などで悩んでいたのですが、民社党の党首選挙を
見ていたら何だか悩んでられない、という気になりました。

とにかく、自己改革は常に必要ですね。(そうだそうだ。。)

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         「経営相談の日々」 No. 21
    
2006/3/28(発行:不定期)

 ビジネスプロシード/e診断.com: http://www.eshindan.com/

◆ 経営相談をとおして感じた「経営トピックス」を
◆ 中小企業診断士がご紹介するメールマガジンです。
◆ (個別の相談内容について記載するものではありません)

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◆今日のトピックス
◆逆引き経営戦略


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■ 今日のトピックス ■
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◆取引先の選択
 物を売り場合でも、サービスを売る場合でも、その売り先をどこに
するかというのは大きな問題です。
先ずは、買ってもらえるだけでもありがたいのですが、やはり「利益」
有っての事業ですから、しっかりと利益を確保したいところです。

物を売る場合には自分で売るか、他の人に売ってもらうかという選択肢
があります。所謂「直接販売」と「間接販売」です。
「直接販売」であればお客様への販売価格とコストの差が利益になります。
「間接販売」であれば、取扱い業者(商社や代理店がこれにあたります)
への卸価格とコストの差が利益になります。取扱い業者も当然ながら
利益を取ってお客様に販売しますので、製造元の取れる利益は少なくなって
しまいます。卸価格は取扱い業者の種類や規模(そして、サポートに度合い)
によって異なりますが、20%〜50%位取られます。50%も取られてしまうと
利益も少なくなりますが、その分自分で売るよりは数量がでますので
利益額は大きくなってきます。
 つまり、「たくさん売れる」のであれば「間接販売」も一つの選択肢に
なります。また、十分な付加価値を取ることができ、取扱い業者に利益を
与えても自社が満足のいく利益を取れればそれも選択肢になります。

「直接販売」の場合も、物によっては「誰に売るか」というのが大きな
問題になります。世の中には「この課題を解決するためならばいくらでも
お金を出す」という企業があります。家電メーカーから自動車メーカーに
変えた途端、安定した利益を取れるようになった金属加工の会社もあります。
値下げ要求の厳しい大手ゼネコン(建設業者)から特殊な用途に変えた途端
利益を確保できるようになった建設会社もあります。
中小企業が重宝され、安定して仕事をもらうためには、「少量多品種」の
商品を短納期で、しかも高品質・高信頼性で提供するのが最良の方法です。
特殊技術を武器に特注製品の製造に特化し、言い値で商品を提供している
企業もあります。

取引先を選ぶ際には、どのようなお客が高価格でも満足してくれるのかを
十分把握し、ターゲットとする顧客(ターゲットセグメント)を検討し、
その顧客であればいくらの費用までOKを出せるのか(例えば既存品の
代替であれば、導入コスト、ランニングコストなどがどれだけ安くなるのか、
また、お客にどれだけの投資効果を提供するのかを考える必要があります。

中小企業はニッチ市場で高付加価値な商品・サービスを提供するべきであり、
そのためには「小回りの効く便利屋さん」として少量多品種・短納期の仕事
に高い信頼性で答えることが大切になります。


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■ 逆引き経営戦略 ■
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◆取引先の選択?

・直接販売と間接販売
  大量に販売する場合やお客との密接なコミュニケーションが
  必要な場合には、間接販売により商社などに中間利益を与える
  ことにより業務をさばくことができます。
  しかし、中間マージンが大きく自社の利益が少ないのであれ、
  自社で何とかしよう、、という「直接販売」の検討も必要です。

・多品種少量生産/販売
  昨今、大量に製造したり大量に印刷物を作成する場合には、
  中国などの海外の生産拠点に業務ごと移ってしまうことがあります。
  中小企業が海外企業に打ち勝つには、「小回りの効く便利屋さん」
  として、少量多品種製品に対応し、短納期、高品質を確保すれば
  他社との競争に打ち勝つことができます。


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■ 編集後記 ■
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半年ぶりのメールマガジンになってしまいました。
誠に申し訳ございません。
昨年末からドタバタしてしまい、発行がおろそかになってしまいました。
今後は不定期発行になりますが、その分ブログでもっとざっくばらんに
情報発信を行います。
ホームページにもメニューがありますのでお時間あれば覗いてみて
ください。
(これではプッシュ型のメーリングリストの効果がありませんが、、、)

e診断ドットコム
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